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新年のご挨拶
 昨年は大変お世話になりました。喪中につき、新年の挨拶は控えさせていただきます。

 まずは報告致します。弊社、株式会社タカシマの二代目社長でありました眞下欽一が、老衰のため昨年11月21日に90年の生涯を閉じました。故人は当社94年の社歴の半分を超える実に57年間在籍をし、うち29年間もの長きに渡って社長を勤めました。故人の遺志により家族葬とし、すでに納骨も済ませ眞下家の菩提寺である松戸市内の吟松寺(ぎんしょうじ。千葉県松戸市河原塚44-9)に眠っています。生前の故人に対する皆様からのご厚意に心から感謝申し上げます。

 昨年起きたことを幾つか挙げると、二月に始まったウクライナ戦争は、終息するどころか軍国主義が中国・北朝鮮・ミャンマーなどに伝播し、幸福や健康を求めているはずの世界が、真逆の恐怖や死に直面していること。コロナによる行動制限などの悪影響が予想以上の3年目という長期に及び、今なお変異を繰り返しこれも終息の見込みが無いこと。また記録的な円安で、多くを輸入に依存する我々は様々な値上げに直面するとともに、日本の価値や国力の相対的低下が明確になったこと。中でも値上げについては、当業界全体が好影響を受け、販売数量は低下したのに大幅増収・増益となりました。長期的には好ましくない円安も、近視眼的には輸出向け機械の急増によって追い風に転じ、結果は良かったものの、いずれもが経験したことの無いことばかりでその成り立ちには居心地の悪さを覚えます。
 
 社内も変化しています。一つは人事異動におけるPR(Public Relations)制度の導入です。これまで人事異動といえば会社側からの辞令一辺倒でしたが、希望部署への異動を挙手し、掲げた目標で可否が判断されるPR制度によって、社員のライフプランと会社のキャリアプランの合致を目指すものに変わりました。
 また営業部の目標も、今年から営業利益目標に変わりました。大雑把に言えば、これまで営業部の目標は売上・粗利だったので、売上から仕入原価だけを引いて幾ら残るか(粗利)を見ていれば良かったところが、今後はそのために掛かった経費も差し引いて幾ら残ったか(営業利益)、という本当の利益を目標にしようという試みです。ですから今後の営業活動は、「引かれる数」すなわち自分を含む経費をより小さくしながら大きな売上を上げるべく、効率やコストパフォーマンスを考えなければなりません。営業担当者であっても、いや営業担当者であればこそ、といった本質的な改善への冒険的なアプローチです。クリアしなければならない課題もあります。弊社は比較的早い方であると自負していますが、仕入れや経費を月末で締めてから確定(支払)までどうしても2週間を要するので、つまり「引かれる数」が決まるまで半月のタイムラグが有り、日計で実数値を見ることができる売上・粗利には構造的に劣るからです。「やりながら考える」いつものやりかたで一年間やってみて、上手く行ったら報告いたします。

 昨年開所した松戸事業所は、コンセプトの一つである「お取引先様のショールーム」によって現在も発展中です。これはお取引先様の取扱い商品を事業所の建築部材として実際に使用することによって、お取引関係強化とともに、いわば原寸大の採用事例としてその部材を他のお客先様に広くPRして頂こうという趣向です。全使用箇所に当該商品を説明するステンレス製のプレートが取り付けられ、一部スケルトンにして内部が見える構造にし、またお取引先様のお客様を受け入れることを前提にしたプロジェクター装備の会議室を複数備えています。積極的に受け入れておりますので、該当商品をお持ちの方はお申し出いただきたいと思います。

 当社の営業第1グループ(ユーザー企業への直接販売)は、ユーザー企業にとって煩わしい附帯作業に過ぎない調達業務を軽減させていただくことで、その本分である物作りに経営資源を集中でき、結果、競争力や企業価値を高めていただく「調達の合理化のお手伝い」を発信しています。具体的にはそのためのサービスメニューを作ることですが、それが分からなければユーザー企業に探しに行く。そこで解決し得た問題は、次のユーザー企業では新たな価値となります。

 営業第2グループ(販売店への卸売り)を取り巻く状況を見れば、販売店の事業承継(困難・不能)は社会問題とも言うべき大問題であり、お取引先様の廃業は我々にとって死活問題でもあるので「販売店支援」を掲げています。具体的には高齢のオーナー社長のもとへ人材を当社から送り出し、抱える経営課題を解決しながら販売店支援のロールモデルを作ることです。社内に居て注文が来るのを待つだけのプル型とは全く異なり、そこに行けば解決すべき課題が見えてくる。数十年培った当社にはすでに解決済みの事例が無数にあり、我々には十分な経験値があります。

 市場(マーケット)には問題が無数にあり、解決されることを待っています。まだ相手が問題とさえ認識できていない問題を見付け、提起し、一緒に解決する、おせっかいなプッシュ型が必要とされていると確信しています。

 今年度も皆様が一つでも多くの自己実現を果たされますことを祈念いたします。

代表取締役 真下丈二